第一種貨物利用運送/第二種貨物利用運送の違い

利用運送業は2種類ある

利用運送事業は、正式名称「貨物利用運送事業」言い、以下の2種類に分類されています。

◆第一種貨物利用運送事業
◆第二種貨物利用運送事業

そもそも、利用運送事業は、「荷主より貨物の輸送の依頼を受けて、運送業許可を持つ実運送事業者に輸送手配をし、その対価として荷主から運賃をもらって実運送事業者(※)に運賃の一部を支払う形態」をいいます。

もっと簡単にいえば、「トラックを持たずに電話一本で荷物の集荷~配達までをさばく」ことが業務内容となります。

※実運送事業者とは、以下の事業者のことを表します。
①船舶運航事業者
②航空運送事業者
③鉄道運送事業者
④貨物自動車運送事業者

この4つが「実運送事業者」となります。

通常、多くの方が「運送」=トラックとイメージしがちなのですが、実運送事業者はトラックを使う運送だけではないということを知っておきましょう。

ちなみに、一般的には「船舶・航空・鉄道・貨物自動車」に関する輸送手段のことを「モード」といいますので、合わせて覚えておきましょう。

第一種・第二種貨物利用運送の違いについて

では、次に、第一種貨物利用運送・第二種貨物利用運送の違いについて詳しく見ていきましょう。違いをまとめてみましたので、参考にしてください。

第一種と第二種の違い

つまり、第一種は一部の輸送手段、第二種は全ての輸送手段となることがお分かり頂けると思います。ただし、言葉だけでは分かりにくいと思われますので、より理解して頂くため、次にご紹介するイメージ図をご確認ください。

第一種貨物利用運送事業

“流通の一部のみを手配する”

第一種貨物利用運送事業

第二種貨物利用運送事業

“一連の流通に係るすべての輸送を手配する”

第二種貨物利用運送事業

第一種貨物利用運送について

ではここから、第一種・第二種の更に詳しい違いを確認していきたいと思います。

先に第一種から見ていきましょう。

第一種貨物利用運送とは、貨物利用運送事業法という法律の第2条によって「他人の需要に応じ、有償で利用運送を行う事業者であって、第二種貨物利用運送事業以外のものを言う」と定義されています。

これは、流通の一部の輸送を行う為、実運送事業者(配送業者)を手配する業務を行う業者が該当します。

第一種貨物利用運送は登録制となり、利用モードは1種類以上となっています。

以下の4つのパターンに分類されますので、ご確認ください。

第一種貨物利用運送4つのパターン

第一種貨物利用運送のチェックポイント!

貨物自動車運送の場合、集荷先→配達先へ貨物での輸送で全ての流通が完結する場合もありますが(一般的には、「ドアtoドア輸送」と言います)、貨物1種類だけのモードとなるので第一種貨物利用運送事業に該当します。

また、トラックでの輸送に加え、海上輸送や航空輸送など、複数の利用運送を行う場合には、そのモードごとに第一種利用運送登録が必要とされますので、覚えておきましょう。

第二種貨物利用運送について

皆さんが普段購入されるような商品などの流通については、簡単にトラックや船だけで全てが完結するわけではありません。

例えば、海外の工場で造られた商品が家電量販店などへ配送されるまでには以下のような一連の流れがあります。
①海外工場より出荷される
②海外の港で船に荷物が積み込まれる
③日本国内の港に着港する
④その港から配送センターへ輸送される
⑤最終的な配達先となる家電量販店などへ配送される

このような手順によって全ての流通が完了するのです。

つまり、上記の例でいうと「実運送事業者」「第二種貨物利用運送」の2つが関わる為、“利用モード=2種類以上”ということになります。

第二種貨物利用運送のパターンを確認しよう!

第二種貨物利用運送では、以下の3つにパターンが分かれますのでイメージ図と合わせてご確認ください。

①海上輸送とトラックの集配

「集荷先までトラックにて集荷を行い、港までトラックで輸送する」→「船舶による輸送をする」→「トラックが皆とで集荷を行い、配達先へ輸送する」

海上輸送とトラックの集配

②航空輸送とトラックの集配

「集荷先までトラックで集荷を行い、空港までトラックで輸送をする」→「飛行機で輸送する」→「トラックが空港で集荷をしてから配達先へ輸送をする」

航空輸送トラックの集配

③鉄道輸送とトラックの集配

「集荷先までトラックで集荷してから、鉄道の駅までトラックで輸送する」→「鉄道で輸送する」→「鉄道の駅でトラックが集荷をしてから配達先へ輸送をする」

鉄道輸送とトラックの集配

第二種貨物利用運送のチェックポイント!

第二種貨物利用運送事業では、「ドア to ドア」といわれます。

その理由は、モードが違う複数の運送事業者を手配して、集荷先→配達先までというように、始めから終わりまでの業務を行うからです。

また、その他にも「利用の利用」と呼ばれることがあります。

例えば、荷物の配送を依頼する場合に、海上運送会社が他の海上運送会社に依頼をかける場合には、荷主となる海上運送会社が利用運送登録を持っている必要があります。

このような場合に、利用の利用と呼ばれているのです。(航空・鉄道も同じです)

第一種・第二種貨物利用運送の違いをまとめてみました

第一種・第二種貨物利用運送の違い

【第一種貨物利用運送事業】
集荷先→配達先までというように、貨物の流通に関する一部の輸送を、実運送事業者を手配することで、流通の一部だけ運送の責任を負います。

【第二種貨物利用運送事業】
モードが2つ以上であり、流通の全てに対して運送の責任を負います。

また、押さえておきたい点として、利用モードが2つ以上であっても、流通の全ての手配を行わない場合は、必要とされるのは!“第一種貨物利用運送事業登録”となりますので覚えておきましょう。

Q&Aでより深く理解しよう!

Q1.日本国内の港から海外の港まで船の手配を行います。その業務にて荷主より運賃を貰いますが、この場合は第一種、第二種、どちらが必要なのでしょうか?

A. この場合は第一種貨物利用運送事業登録が必要となります。海外への海上輸送となりますが、港→港までの手配ですので、第二種の許可は必要ありません。

Q2.日本国内集荷先となる仙台の製造会社Aから出荷される荷物を、仙台港まで貨物自動車運送手配を行い、仙台港から名古屋港までの船舶輸送の配送手配を行うことになりました。ちなみに、名古屋港から最終の配達地となる販売会社Bまでは製造会社Aの子会社C運送が業務を行うので、貨物運送事業者手配は行いません。この場合は第二種の許可が必要なのですか?

A. この場合も、発地→最終配達地(着地)まで、すべての輸送を手配するわけではない為、第一種貨物利用運送業登録でOKです。ただし、海上運送事業の第一種貨物利用運送事業登録が必要ですのでご注意ください。つまり、貨物自動車・海上運送、どちらの利用運送登録も別で行う必要があるということになります。

まとめ

今回は、第一種貨物利用運送と、第二種貨物利用運送の詳しい違いについて解説をさせて頂きました。

一般的に、荷物を運ぶのはトラックという印象を持たれる方が多いですが、実際には輸送するのに、これだけの流れが存在することがご理解頂けたのではないかと思います。

それぞれで第一種、第二種、どちらが必要であるかを明確に理解できるようにしておきましょう。

もちろん、行う業務によっては、少し複雑に感じられる方もいらっしゃると思いますので、どちらの許可が必要となるか疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。

お気軽に運送業許可申請のコンシェルジュまでご相談くださいませ。