利用運送許可の3つの要件

貨物利用運送事業の許可は、正式には「貨物利用運送事業登録」といいます。ただ、一般的には「利用運送業許可」と呼ばれることが多くなります。

今回は、この利用運送業許可に関する3つの要件をご説明したいと思います!

3つの要件について

貨物利用運送業事業を申請する場合には、次の3つの要件が求められます。

①営業所の要件
②資金の要件
③人の要件

この3つの要件の中で、1つでもクリアすることができない場合は、申請をすることができませんので、非常に重要な要件であることを理解しておくいてください。

では、それぞれの要件について詳しく見ていきましょう!

要件① 営業所の要件

営業所というのは、事業所の事務所という意味です。

貨物利用運送事業を行う場合、この営業所(事務所)を必ず設ける必要があります。

また、営業所(事務所)にしてもOKな場所でなければならないという法律の定めがありますので、どこでも良いというわけではありません。

営業所(事務所)の要件を見てみましょう!

貨物利用運送許可の営業所の要件

この要件の中で、1番注意しておきたい点は、都市計画法です。

基本、市街化調節区域については、一定の条件を満たす場合を除き、建物を建てることは許されません。

もし、すでにある建物であったとしても、市街化調節区域内にある建物の場合は、営業所(事務所)として使えない場合がほとんどですので、この事だけはしっかりと覚えておきましょう。

営業所(事務所)は自宅・賃貸でもOKか?

利用運送事業に使う為の営業所(事務所)については、自宅の一室や、アパート・マンションなどの賃貸でも、問題はありません。

注意すべき点は、前途で述べた市街化調節区域の中にあるかどうか?という点です。

自宅の一室、アパート・マンションでも問題はありませんが、その場所が市街化調節区域内にある場合、営業所(事務所)として使えないことがほとんどですので、注意しておきましょう。

要件② 資金の要件

貨物利用運送事業の申請を行う場合には、自己資金として300万円以上必要となります。

この内容については、300万円以上の自己資金を持っているという事実を、証明する必要があります。

証明については、貨物利用運送事業の申請を受け付けている窓口(営業所を管轄する地方運輸支局)へ行うことになります。

◆個人事業主の場合
現金や、銀行の預貯金の合計額より、負債を差し引いた額を記載した書面

◆法人の場合
直近の会計年度の決算書「貸借対照表」の純資産額

もし、これらの証明ができない場合には、申請ができません。

法人設立時の証明について

これから法人の設立をされるという方は、どのように資金の証明を行えばよいのでしょうか。

この場合、「設立時貸借対照表」という書類によって、資本金が300万円以上であることを証明することになります。

つまり、許可申請をする場合と同様に、資本金300万円がなければならないということになるのです。

要件③ 人の要件

人の要件として申請ができない理由として、「欠格事由」があげられますので以下をご覧ください。

① 申請をする方が1年以上の懲役、または禁錮刑を受けている者ではない。また、刑の執行が終わってから2年経過していない者ではないこと(法人=役員全員)

② 申請者が第一種、及び第二種利用運送業の取り消し処分を申請より2年以内に受けていないこと(法人=役員全員)

これらに該当する場合には、申請をすることができませんので注意しましょう。

運行管理者と整備管理者について

貨物利用運送事業の申請では、申請をされる方がドライバーを直接的に雇用しない為、運行管理者の資格は必要ありません。

また、整備管理者も必要ありませんので、人の要件については比較的クリアしやすい要件といえるでしょう。

利用運送廃止/許可の制限について

利用運送業許可は、貨物運送事業法という法律の第6条に記載されており、登録拒否に該当する場合は取得できません。

また、その他にも許可の取得には制限があり、誰でも取得できるというわけではない為、その部分を詳しく見ておきましょう。

許可取得制限

実は、すでに運送業を行っている場合、利用運送事業の許可を取得することができません。

法律では、「貨物利用運送事業法の中の第19条によって、一般貨物自動車運送事業許可や、特定貨物自動車運送事業許可などの運送業許可を持ち、すでに経営している場合には貨物利用運送事業許可の申請はできない(法律の文章がわかりにくいので、わかりやすく表現を変えています)」とされているのです。

運送業を行っている会社が利用運送を行いたい場合

では、すでに運送業を行っている会社が利用運送を行いたい場合には、どうすれば良いのでしょうか?

このような場合、一般的に多い理由としてあげられるのが、自社便だけで対応できない事態の時に庸車を使いたい場合。または、荷主の増加によって庸車(ようしゃ)を使いたい場合などがあげられます。

利用運送を行う場合には、貨物自動車運送事業法の定めにより、「貨物自動車利用運送業」の届出と、庸車と交わした「利用運送契約書」の提出を行うことによって利用運送を行うことが可能となります。

庸車(ようしゃ)とは、「傭兵と車」を合わせた言葉から生まれた用語です。わかりやすく言うと自社の仕事を下請け運送会社などに依頼することを意味します。

利用運送業者が運送業許可を取得したい場合

次は上記とは逆に、利用運送許可を取得している事業者が、運送業の許可を取得する場合です。

この場合、利用運送の許可は抹消されることになる為、廃業の届け出を提出します。

ただし、利用運送業ができなくなるわけではなく、利用運送事業の届け出(貨物運送事業法第19条)を行えば、今まで通り、利用運送業を行うことができます。

まとめ

今回は、貨物利用運送業許可申請に関する要件をご説明させて頂きました。

利用運送業の申請では、運送業に比べるとはるかに取得する難易度は低くなりますが、要件を満たすことができなければ取得することはできません。

ですので、3つの要件は、しっかりとクリアできるよう、申請を考える段階から覚えておくと良いでしょう。

わからないことや、不安なことがあれば、お気軽に運送業許可申請のコンシェルジュまでご相談ください。