貨物利用運送

皆さんは、貨物利用運送って聞いたことがあるでしょうか。

貨物利用運送は、「運送」と名前が付いていますが、実際には「運送業」と「貨物利用運送業」の違いについて、詳しく知らないという方が結構いらっしゃると思われます。

今回は、その貨物利用運送について詳しく見ていきたいと思います。

貨物利用運送ってなに?

貨物利用運送は、正式名称で「貨物利用運送事業」とよばれています。

具体的には、自分の会社ではトラックや自動車などの運送手段を持たずに、荷主から依頼を受けると、実運送事業者に貨物輸送を依頼する事業者を表します。

ちなみに、貨物利用運送は、物流業界で通称「水屋」と呼ばれます。

貨物利用運送事業者は、依頼を受けた時、貨物の配送手段だけを行って、運賃を顧客からいただくこととなります。この運賃は「利用運賃」といわれます。

つまり、簡単・極端にいってしまうと、「電話1本さえあれば事業を始められる」事業なのです。

ハブの役割

貨物利用運送は、配車係と同じような役割で、いわば「ハブの役目」を果たしています。貨物に関する情報が集まる拠点となっているのです。

物流会社より貨物情報を集めて、各運送会社へ輸送の割り振りを行います。

運送取次とはどう違うの?

利用運送と運送取次は一体何が違うのでしょうか?

実は、運送取次については、単純に取り次ぎだけを行っている事業者なので、取り次ぐだけでは料金が発生しておらず、売上とはなりません。

例えば、荷物を送る際にコンビニに荷物を持ち込まれる方がいらっしゃると思いますが、この場合のコンビニが運送取次に該当します。

このように運送取次では売上は発生しませんが、利用運送の場合には手配をする為、利用運賃として売上を出すことが可能なのです。

貨物利用運送と運送取次の違い

貨物利用運送と運送取次の具体的な違いをまとめると以下のようになりますので、参考にしてください。

◆利用運送:輸送の手配を行って売上が発生する
◆運送取次:輸送の手配は行わない為、売上は発生しない

2種類の貨物利用運送について

貨物利用運送では、「第一種貨物利用運送事業」、「第二種貨物利用運送事業」の2種類に分類されています。

この2つの種類については、法律(貨物利用運送事業法第2条)で次のように定めがありますので確認してみましょう。

貨物利用運送事業法第2条

第一種貨物利用運送・第二種貨物利用運送の違いについて

まずは第一種貨物利用運送と第二種貨物利用運送の2種類の違いを確認しておきましょう。
◆第一種貨物利用運送:貨物の流通に関し、一部だけの運送手段を手配する
◆第二種貨物利用運送:貨物の流通のすべての運送手段を手配する

第一種と第二種の例をあげてみましょう!

例:大阪の家電を製造する工場にて洗濯機が生産されました。その洗濯機を北海道市内の家電量販店まで輸送するとします。
「第一種貨物利用運送の仕事」
大阪の工場に洗濯機の集荷を行い、大阪港まで運ぶトラックだけを手配します。
「第二種貨物利用運送の仕事」
大阪の工場に洗濯機の集荷を行い、大阪港まで貨物を運ぶトラックの手配と、大阪港から北海道の港までの輸送をする船の手配、そして港からまた北海道市内の家電量販店まで洗濯機を輸送するトラックの手配、ここまでの全てを行うことができます。

貨物利用運送を始める為には

貨物利用運送事業を始めたい場合は、貨物利用運送事業法という法律によって定められている要件を満たした上で、管轄する運輸支局へ書類を整えて申請し、許可を取得しなければなりません。

ただし、実際には許可を受けることさえできれば、事務所と電話が1本あれば貨物利用運送事業を始めることが可能です。

第一種利用貨物運送事業を詳しく理解しよう!

では、ここから第一種貨物利用運送事業について、詳しく内容を理解していきましょう!
第一種貨物利用運送事業の許可を取得する為には、国土交通大臣が行う登録を受ける必要があります。
ですから、事業を始める前に、必ず営業所を管轄している地方運輸支局に「貨物利用運送事業登録申請」というものを行わなければなりません。

一般貨物自動車運送事業との違いについて

一般貨物自動車運送事業と、第一種貨物利用運送業の違いは、一体どのような点となるのでしょうか?

法律的に解説をさせていただくと、一般貨物自動車運送事業(通称:運送業)に関しては、「貨物自動車運送事業法」という法律が根拠となります。

一方、貨物利用運送事業については、「貨物利用運送事業法」という法律が根拠となっているのです。

この点からわかりやすくいうと、一般貨物自動車運送事業というのは、自らトラックを所有し、荷主の依頼を受ける事で運賃をいただきます。

そして、事業用トラックにて貨物の輸送をするのが運送業と呼ばれる一般貨物自動車運送事業ということになります。

それぞれ尊守する事項や、許可に関する要件は違いますし、罰則にも異なりがあります。

第一種貨物利用運送許可の要件について

次に、第一種貨物利用運送許可の要件を簡単に確認しておきましょう!

以下の要件をご覧ください。
① 営業所の要件
② 資金の要件
③ 人の要件

以上3つの要件を全てクリアする必要があり、1つでもクリアできなければ許可を取得することはできませんので注意が必要です。

①営業所の要件

まず、必ず必要となるのが営業所(事務所)です。

営業所については、法律(都市計画法・農地法・建築基準法など)の関係している法令に触れない建物であることが要件としてあげられます。

一番難しいとされるのが「都市計画法」に触れるかどうか、という点となります。

都市計画法には、定められている市街化調節区域というものがあり、これを抑制する地域に建物がある場合には、基本的に営業所として使うことができません。

更に、市街化区域には、営業所(事務所)を建設しても良いという区分(用途地域)の中にある建物でなければならないとされております。

②資金の要件

第一種貨物利用運送許可を取得する場合、法人では直近の会計年度の、決算書上の貸借対照表の純資産が300万円以上であることが求められる要件があり、これをクリアしなければなりません。

もし個人事業主である場合には、事業主の個人現金預貯金が300万円以上という要件が求められます。つまり、貨物利用運送事業を行う場合には、ある程度の資金が必要だということがお分かり頂けると思います。

③人の要件

申請者に欠格事由がないということが要件となります。
対象となるのは、法人の場合「役員全員」、個人の場合「事業主」です。

欠格事由については、申請をする方が、1年以上の懲役または禁錮刑を受けていない者であることや、刑の執行が終わってから2年経過していないということなどがあげられます。

まとめ

今回は、一般的な運送業と利用運送では違いがあり、利用運送でできる事業などを含めて解説させて頂きました。

貨物利用運送事業という言葉を知らない方でも、少しイメージを膨らませて頂くことができたのではないと思います。

ご相談については、お気軽に運送業許可申請のコンシェルジュまでご相談ください。