貸切バス許可の更新制

すでに、貸切バス事業者として運営されている方は、ご存知の方がほとんどだと思います。

一般貸切旅客自動車運送事業許可(通称:貸切バス許可)は、平成29年4月1日より更新制が導入されています。

今回は、なぜ更新制になったのか?や、更新に関する条件などについて、わかりやすく解説させて頂きたいと思います。

貸切バス許可の更新制になった理由とは?

発端となったのは、平成28年1月に起こってしまった長野県軽井沢のスキーバス事故となります。

この事故を受けて、道路運送法という法律が改正されることになりました。

改正後は、貸切バス許可は更新制となり、更新の期間として5年という決まりが設けられることになったのです。

更新制にした目的とは

スキーバス事故が発端となって改正された法律ですが、なぜ更新制にしたのでしょうか。その目的を確認してみましょう。

・重大となる事故の再発を防止する目的
・不適格者を排除させる目的
・事業者が守らなければならないルールを徹底する目的
・安全対策の徹底

これらが、更新制にした目的とされています。つまり、わかりやすくいうと「日常的に安全の管理をしっかりしておかないと、更新することができません」ということになります。

更新の条件を確認しておこう!

では次に、貸切バスの更新に関する条件をみておきましょう。

①更新の申請が許可されること

5年ごとの更新申請が許可されることが条件となります。更新申請書類の提出先は、営業所を管轄している地方運輸支局です。

申請後、審査を受けて更新の許可を受けることになります。

もし更新申請を忘れてしまったら?

更新を忘れてしまうような事態となった場合には、ご想像して頂ければお分かり頂けると思いますが、許可が失効となってしまいます。つまり、事業を続けることができなくなってしまうということなのです。

ちなみに、更新が認められなくても許可は失効してしまいますので、この点はしっかりと把握しておきましょう。

②決算状況

次の条件として、決算状況が良いことがあげられます。具体的には、2点が重要なポイントです。

① 更新をする時に、申請の直近1事業年度において債務超過でないこと(資産より負債が多くないこと)
② 申請の直近3事業年度の収支が連続して赤字ではないということ

この2点をクリアしなければ更新をすることができませんので覚えておきましょう。

③法令遵守

前回許可を受けた時から、毎年連続して行政処分を受けていないということが条件に該当します。

更新は5年ですから、その間連続して何かしらのペナルティが課せられている場合には更新の許可が貰えないことになります。

つまり、監査が入った時に法律に違反するような状態が常に起きている事業者には、更新が認められないということになるのです。

④収支計画

適切となる事業の収支計画が提出できるということが条件となります。
① 安全投資計画を提出すること
② 今後の売上予想と、車両費・人件費などの経費に関する支払を算出させ、利益が出ている事業収支見積書を提出すること

つまり、その他の条件に該当していても、利益が残る事業者でなければならないということになります。

⑤更新の申請は定められた時期に行うこと

更新は、定められている時期に行わなければなりません。初回に更新をするタイミングは、事業の許可を受けた西暦の下一桁で確認します。

例えば、西暦の下一桁が「7」「2」に該当し、4月1日~12月31日までの間に許可を受けた事業者と、西暦下一桁が「8」「3」に該当し、4月1日~12月31日までの間に許可を受けた事業者については、2017年に更新が必要となっておりました。

この算出方法から、現在運営されている貸切バス事業が、いつ更新が必要であるかを確認しておきましょう。

⑥法令試験の合格

法令試験については、営業所を管轄している地方運輸局で行われています。

ちなみに、ハートマーク申請事業者の認定を受けている場合には、法令試験が免除されていますので、参考にしてください。

受験する方

受験をする方は、誰でもOKというわけではありません。個人であれば事業主、法人であれば代表者と定められているのです。

具体例をあげておくと、株式会社であれば「代表取締役」、合同会社であれば「代表社員」、有限会社で役員が1名のみの場合は取締役となり、複数の場合は代表取締役となっています。

出題の範囲について

道路運送法関連

このように、出題範囲は非常に広くなります。

設問方式/出題数/試験時間/合格基準について

【設問方式】
試験問題の出し方については、次の3つの種類となっています。
①○×正誤方式
②語群選択方式
③記述式

【出題数】
30問

【試験時間】
45分

【合格基準】
正解率90%以上(30問のうち27問以上正解しなければなりません)
また、受験する際には、参考となる資料は一切持ち込めませんので注意しておきましょう。
ただ、自動車六法の条文集は、受験する際に配布されております。

まとめ

貸切バス更新制について解説をさせて頂きました。

更新制については、安全管理を徹底することが目的とされています。つまり、完全管理の意識が高いかどうかが問われることになるのです。

更新をしなければならない以上、これらの内容については十分に理解した上で行わなければ事業者として存続することができません。

難しい内容も含まれておりますので、是非お気軽にお問合せ頂ければと思います。