貸切バス許可の更新制

これまで貸切バスについて、貸切バス許可更新申請を行ってきた上で感じた重要点などをまとめてみましたので、是非参考にして頂ければと思います。

赤字が続いていると更新できない

国土交通省が発表(公示)している貸切バス許可更新の条件には、以下の記載があります。

「許可を申請する年の直近1事業年度において申請者の財務状況が債務超過ではないこと。かつ、直近3事業年度すべての財務状況が債務超過でないこと」

次の、直近年度が29年度(2018年度)の例をご覧ください。

貸切バスの更新の可否について

このように、直近3年の決算書の貸借対照表の純利益が3年連続赤字の場合には、貸切バス許可の更新が認められないことになります。

赤字の判断は、会社全体で行われますから、貸切バス事業以外にも事業を行っている場合には、貸切バス事業が赤字であったとしても、他の事業が申請前3年度に1度でも黒字となった場合には問題ありません。

貸切バス許可更新を行う事業者様は、直近3年連続で純利益が赤字になってしまうことはないと思われますが、年の為に決算書はしっかりとチェックしておくことをオススメします。

事業収支見積書が2期以上赤字の場合

貸切バスの許可更新を行う場合には、申請をする会計年度の翌会計年度より向こう6年間の事業収支見積書(事業計画書)を提出しなければなりません。

この事業収支見積書が6年間の間に、2期以上連続した赤字が続いた場合、更新を行うことが許可されませんので、事業収支見積書にも注意が必要となります。

基本的に、更新申請をされる貸切バス事業者様では、事業計画書が赤字続きとなることはないと想定されますが、一点注意して頂きたいところがあります。

貸切バス許可更新の事業収支見積書における注意点

貸切バス事業許可更新を行う場合、事業計画書については申請をされる年の直近年度となる4月1日~3月31日までの輸送実績報告書と、直近会計年度の損益計算書をもとに作成することになります。

この輸送実績報告書というのは、営業収入や、延実在車両数、延実働車両数などを記載し、運輸局に報告をする文書となっております。輸送実績報告書に記載した営業収入を事業計画書の6年間、貸切バス事業の売上にするという決まりがあるのです。

それに加え、直近の会計年度の貸借対照表の経費を、6年間の経費にすることも決まりとなっています。

もし、申請をする直前年度の営業収入よりも、直近の会計年度の貸借対照表の経費が多くなってしまう場合は、赤字が続いているという事業計画書になってしまいます。

これらの理由から、申請を行う直前期の決算書が赤字となる場合、経費を削減する合理的な理由を設け、黒字にするという事業計画書を作る必要があります。そうしなければ、更新の許可が出ないからです。

このように、直前期の決算で利益が出ていないという場合、黒字にする計画を確実に練ってストーリーを考える必要性があるということになるのです。

ただし、他に事業を行っていて、会社全体で黒字になるような事業計画書が作れる場合には、この限りとはなりません。

過去5年のデータ集計について

貸切バスの許可更新申請を行う場合には、過去5年の実績についても書類に入れて作成する必要があります。
過去の実績については以下の通りです。
① 決算状況
② 従業員の所定内賃金・残業時間、残業代等の割増賃金・休日出勤時間・深夜の時間など、年度ごとの労務全般
③ 車両ごと、年度ごとの原価償却費と、走行キロ、修繕費など
以上の内容を記載することになります。

締め切り直前になって集計すると、大変な労力が必要になりますから、しっかりと集計を行っていたり、専門家にお願いしたら即座にデータが出るような状況が望ましいです。

輸送実績報告書について

貸切バスの許可更新申請で許可をもらう為には、輸送実績報告書の営業収入の金額がポイントとなります。

実は、輸送実績報告書を出していない事業者様が多く、提出をしていたとしても損益計算書の値と合っていないという場合も多いのです。

貸切バス許可更新申請を行う上では、輸送実績報告書が大変重要な書類となりますから、しっかりと作って提出するようにしなければなりません。
ご不安がある方は、是非お気軽にご相談下さい。

過去実績より、向こう6年の事業計画書が重要

実のところ、運輸局は過去の実績よりも、向こう6年の事業計画(安全投資計画)を主にチェックしています。

その理由としては、今後バス事業者として安全の確保に努める姿勢があるのかどうか?や、安全を確保する為に必要となる資金的な余裕があるのか?などが理由として想定されます。

また、ちゃんとした事業計画を立てられる事業者であれば、運転者の安全に対する教育などもしっかりと行うことができる事業者であると判断される為だと考えられるでしょう。

もしも、つじつまの合わないような事業計画書であれば、補正しなければならなくなってしまいます。その内容はとても細かい所にまで及びますから、ちゃんとした事業計画書を作り、提出できるようにしなければなりません。

まとめ

以上が、貸切バス許可更新申請における重要点のまとめとなります。全体的にわかりやすくご説明させて頂きます。

◆決算が赤字体質になっていないということ。
◆事業計画書については会社の全体で黒字となるものを提出する。
◆前もって過去の労務や経費などの集計を行っておく。
◆つじつまが合うよう、しっかりと事業計画書を作ること。

これらがポイントとなりますので、参考にしてみて下さい。貸切バスの許可更新申請については、相当難易度が高い為、是非とも専門である運送業許可申請のコンシェルジュまでお気軽にご相談下さればと思います。